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日本のアニメ業界は近未来SFをAKIRA・攻殻機動隊の延長で作りがち? - Togetter

切欠

はてブの反応。大体言いたいことは言われている。
[B! SF] 日本のアニメ業界は近未来SFをAKIRA・攻殻機動隊の延長で作りがち? - Togetter

このツイートに対しては「そんなことないやろ」で終わりだし、個人の一ツイートにtwitter外から何か言う気もないのだが、"近未来SFのビジュアル"を現在考えるのは割と難しいな、と思った。

というのも、現在が割と"近未来"っぽくなってしまったからに他ならない。いや、これまでの"近未来"がこないことがわかってしまったという方が正確か。ゼロ年代の近未来イメージの中心はインターネットだったと思うし、そこにはサイバーパンクやニューエイジの文脈があった。みんながつながれば何かが起きる気がしていた。[1]だけど、実際にスマホが普及してみると、人はやっぱりただの人だった。技術のみが発達しても、それを使う人が変わらない限り、その技術は何かのオルタナティブになるだけなんだ。結局、世界も人も変わらず、身にまとうものが流行りで変わっているだけなんじゃないか、という確信のほうが強くなっちゃった。その確信の中で、ビジュアルでインパクトのあるもの、つまり、ハードウェアでどうこうしてるSFの方が胡散臭いというか、SFってもっとソフトかウェットなもんじゃん、という意識のほうが強くなっているんじゃないかと。でも、そんなのSF的にはずっと昔からやってるじゃんってのはそのとおり。[2]だけど、多くの人にとっては、今になってそれをようやく実感を持って受け入れる状況になってきたんじゃないのかな。だから、逆に今ビジュアルに頼ったSFを欲しがるのって、それ自体がなんか古くない?って感じたりしたりして。要は、スターウォーズはSFじゃない、みたいな話。但し、そう言ってるのが一般人っていう。そういう意味で、今スターウォーズやるのは難しい。なんか新しい映画やってるけど、見てないから僕は知らん。[3]

ついでに最近こんなのを見かけた。いい例えば話になりそう。

「ついにこの日が来たか…」クリスタをアップデートしたら保存アイコンがフロッピーじゃなくなってた「なんだと…」「Oh…」 - Togetter

まさにビジュアル(ハード)によらなくなってることの証左のように思う。昔は、保存したいデータは記憶媒体に保存していたわけだが、今じゃクラウドにぽい、だ。クリスタはHDDかSSDに保存するイメージでこのアイコンにしたのだろうが、データを保存するときに「記憶媒体に書き込んでいる」と意識するのがもう古い感覚なように思う。やりたいこと(保存)と、姿形のあるもの(記憶媒体)との連想がないので、このアプローチでアイコンを作るのは難しい。じゃあ、この場合、わかりやすいアイコンってなんだろうと考えると、「SAVE」って書かれたアイコンでいいんじゃないかと思う。ビジュアル的には全くおもしろくないけど。そういうことなんですよ。

まあ、ここまで言っておいてなんだが、かっちょいーデザインは今でももさもさ出てくるし。別に難しいだけで、無理だとは全く思わないので、今後を楽しみにしていこ。
あれ、それじゃあ、これって単に僕の想像力が足りてないだけという話になるのか?(Q.E.D)


  1. ガイア理論 - Wikipedia ↩︎

  2. ウェットウェアですら89年だもんね。ロボットものなんてR.U.R(1920)からしてソフトの話だったしなあ・・・。AI関連もそういう話になりがちだし。そういう意味で言えば、攻殻機動隊ARISE(2013)は今のハードウェアの問題を話の軸においてて面白かった。サイボーグの体は常にメンテナンスとアップデートが必要という世知辛い話。黒電話は50年使えたけど、スマホはいくらメンテしてもネットサービスやアプリが対応しなくなるから10年も使えない。設計する時は「変わりにくいものに依存しろ」って考えるもんだけど、今のマシンって変わりやすいものに依存しすぎてるんだよな。だから企業が儲かる。ARISEはそんなお話。 ↩︎

  3. スターウォーズは新三部作(ep.1,2,3)までは見たはずだけど、ほぼ覚えてないし、そんなにハマらなかったんだよなあ。あれ騎士物語とかそういうファンタジーだし。やっぱSFはサイエンスなギミックが物語の中核にないと。(特にSFに造詣が深い訳ではないので、かなり個人的な意見だ) ↩︎